【レビュー】スペイン・ビルバオの伝統が生きる「LA SALVE Lager」―1886年のレシピを現代に受け継ぐクラフトビール
スペイン北部、バスク地方の都市・ビルバオ。芸術と食の街として知られるこの地に、地元の誇りを詰め込んだクラフトビールがあります。
それが今回ご紹介する 「LA SALVE(ラ・サルベ)Lager」。
1886年創業の歴史を持ち、いったんは姿を消したものの、現代の醸造家たちの手によって復活した、スペインの伝統ビールです。
「地元の麦芽を使い、地元の人に愛されるビールを」という想いから再出発したLA SALVEは、クラシックなレシピにモダンな技術を融合させた、まさに“地域に根ざしたクラフトビール”と言えるでしょう。

1.外観:琥珀がかった美しい黄金色と上品な泡立ち
グラスに注ぐと、やや濃いめのアンバーゴールド。
透明度が高く、太陽光にかざすと輝くような黄金色が映えます。
泡はきめ細やかで、立ち上がりは柔らかく、ゆっくりと消えていくタイプ。ラガーらしい清潔感を持ちながらも、少しリッチな印象を与えます。
缶のデザインも印象的で、ブラックとオレンジのコントラストがスペインらしいエネルギッシュさを表現。中央に描かれた「BILBAO 1886」の文字が、伝統と誇りを感じさせてくれます。
屋外で手に持つと、まるでヨーロッパのバル(BAR)で楽しむ一杯のような雰囲気が漂います。
2.香りと味わい:モルトの香ばしさとすっきりした飲み口の絶妙なバランス
香りは穏やかで、モルトの甘みと焼き立てパンのような香ばしさが中心。
フルーティーさよりも、麦本来の優しい香りが印象的です。
口に含むとまず感じるのは、柔らかな麦の甘み。
次第にわずかな苦みが追いかけ、喉の奥で軽快に切れていきます。
派手さはありませんが、その分バランスが非常に良く、**「毎日飲みたくなる」**タイプのラガーです。
冷やしすぎず、少し温度が上がると、モルトのコクとほのかなナッツのような風味が顔を出し、クラシックなヨーロピアンラガーの魅力を感じさせてくれます。
後味はクリアで、苦みが長く残らないため、どんな料理とも相性が良さそうです。
まさに「食事を引き立てるビール」といえる仕上がりです。

3.おすすめの飲み方:冷やしすぎず、8℃前後で香ばしさを楽しむ
LA SALVE Lagerの魅力を最大限に引き出すなら、冷蔵庫から出して5分ほど置いてから飲むのがおすすめです。
あまりキンキンに冷やすとモルトの甘みや香りが閉じてしまうため、8〜10℃ほどがベスト。
グラスは脚付きのゴブレット型やチューリップ型がよく合います。
口の中で香りが広がりやすく、バランスの良い味わいをしっかりと感じられるでしょう。
料理とのペアリングでは、スペインの定番タパス(生ハム、オリーブ、アヒージョ)はもちろん、和食にも好相性。
特に焼き鳥の塩や白身魚のフライなど、素材の旨味を活かした料理と合わせると絶妙なマリアージュを楽しめます。
4.おすすめしたい人:クラシックなラガーをじっくり味わいたい方へ
LA SALVE Lagerは、派手な香りや強い苦みを求めるIPA派の方というよりも、
「落ち着いた味わいをじっくり楽しみたい」「クラフトビール初心者でも飲みやすい1本を探している」という方におすすめです。
また、ビルバオやバスク地方の文化に興味がある方にもぴったり。
ビルバオはグッゲンハイム美術館などアートの街として有名ですが、このビールには「地元の歴史と誇り」が詰まっています。
海外旅行気分で、スペインの空気を感じながら飲むのも楽しいでしょう。
5.原材料等
原材料:麦芽、ホップ
アルコール分:5.0%
生産: LA SALVE
6.まとめ:伝統と地域愛が息づく、スペイン・ビルバオのクラフトラガー
「LA SALVE Lager」は、クラシックな製法にこだわりながらも、現代のクラフトビール文化に溶け込む完成度の高い1本です。
香ばしいモルトの風味とクリアな飲み口のバランスが素晴らしく、日常の一杯としても、特別な時間を演出するビールとしても楽しめます。
ビール文化が根付いたヨーロッパの中でも、スペイン・バスク地方の個性をしっかりと感じられるこのビールは、
「ラガーの原点に立ち返るような、誠実な味わい」と表現するのがふさわしいでしょう。
爽やかな余韻の中に、1886年のビルバオの風を感じる。
そんな時間を、この「LA SALVE Lager」とともに過ごしてみてはいかがでしょうか。
7.関連記事
今回はスペインのLA SALVEのラガービールをレビューしました。以下に以前、スペインバーに行ったときの記事を紹介したいと思います。どうぞご覧ください。
また、他のおすすめのラガービールも紹介しますので、こちらもご覧ください。
