江戸から続く蔵元が醸す「油伝麦酒」-歴史と文化が香るクラフトビール体験
1.蔵の町・栃木市で育まれる、伝統と挑戦の味
栃木県栃木市――この風情ある町並みに溶け込むように佇むのが、「油伝麦酒(あぶでんばくしゅ)」。江戸時代から続く老舗の油屋「油伝味噌」の蔵を改装して誕生したブルワリーであり、まさに“伝統”と“革新”が交差する場所です。
クラフトビールを単なる飲み物としてではなく、歴史や地域文化とともに味わう体験として提供する姿勢が、多くのビールファンの心をつかんでいます。
2.醸造所の成り立ちと歴史的背景
油伝麦酒の母体である「油伝味噌」は、江戸時代中期・元文年間(1736年〜1741年)創業。その歴史はなんと280年以上に及びます。もともとは菜種油の製造販売を行い、後に味噌醸造へと転身し、現在も「蔵元の味噌」として地域で親しまれています。
この歴史ある蔵を活用して始まったのが「油伝麦酒」。ビールの醸造開始は2020年と比較的新しいものの、その背景にある歴史的重厚さはひときわ異彩を放ちます。
クラフトビールは、味噌づくりで培われた発酵の知識と技術を活かし、素材の旨みと香りを最大限に引き出したレシピで仕上げられています。
3.ラインナップ紹介:味わいのバリエーション
油伝麦酒では、伝統的なスタイルから独創的なビールまで、少量生産・手作りにこだわったビールを展開しています。
■ カエモンエール
油伝麦酒「カエモンエール」は、江戸の味噌蔵から生まれたクラフトビールとして、地域の歴史と文化を味わえる貴重な一本。、麦芽由来の香ばしさと、ホップが効いてフルーティな香りがします。
派手さはありませんが、じんわりと染み入るような香り立ち。
■ 蔵の街ラガー
油伝麦酒の「蔵の街ラガー」は、栃木市の文化とともに醸される、穏やかで親しみやすいクラフトビール。麦芽由来の香ばしく穏やかな香りが第一印象。華やかすぎず、落ち着きのあるアロマが特徴。
■ マンゴー烏龍麦酒
台湾をイメージしたマンゴー×烏龍茶×ビールの組み合わせでやや甘口の仕上がり。
4.醸造所の見学と現地での楽しみ方
油伝麦酒の醸造所は、歴史的建造物の蔵の中にあり、見学も可能なようです(要事前予約)。訪れると、味噌蔵とビール醸造所が共存するユニークな空間に驚かされることでしょう。
◆ 油伝味噌の直売所
ビールだけでなく、伝統の味噌や調味料も購入可能。味噌×ビールのセット販売も人気です。
◆ 店内に飲食スペースあります
明治後期の建物を改装したテーブル24席、座敷15席の店内飲食スペースがあります。クラフトビールを飲みながら味噌田楽等を味わうことができます。
◆ 蔵の街散策とあわせて
醸造所の周辺は「蔵の街」と呼ばれ、黒塗りの土蔵が並ぶ情緒豊かな街並みが広がります。観光と一緒にクラフトビール体験ができるのも大きな魅力だと思います。
5.購入方法とオンライン展開
油伝麦酒のビールは以下で購入可能です。
・現地直売(油伝味噌の店頭にて)
・栃木県内のスーパー等。どこでもというわけではないです。
・楽天市場等通販
楽天市場:カエモン、蔵の街ラガーのセット
6.まとめ:歴史が香る一杯をあなたに
油伝麦酒は、ただの地ビールではありません。約300年続く味噌蔵の魂が込められた、文化と土地に根ざしたクラフトビールです。
「クラフトビールは飲み慣れていないけど、歴史ある醸造所のものを飲んでみたい」
「旅先で、その土地らしさを感じるビールを味わいたい」
「日本の伝統×ビールという組み合わせに興味がある」
そんな方に、ぜひ一度体験していただきたい一杯です。
油伝麦酒(ABUDEN BREWING)
・住所:栃木県栃木市嘉右衛門町5-27(油伝味噌内)
・アクセス:東武日光線「新栃木駅」から徒歩約10分(800m)
・公式サイト
